その東北エリアを担う国分東北株式会社さま(以下、国分東北)では、サステナビリティを重視し、環境や社会貢献を重要テーマとして掲げています。
今回は、EnneGreen®(エネグリーン)による実質再生可能エネルギーの導入をきっかけに、SDGs・脱炭素への取組みを本格的にスタートさせた国分東北の山辺さま(以下、山辺)と、NTT東日本株式会社(以下、NTT東日本)の小野寺さま(以下、小野寺)にお話しを伺います。
※本記事の内容は2026年2月の取材に基づくものです。閲覧されている時点で変更されている場合がございます。
300年以上続く食品卸売業として、東北の食を支える

(山辺)私ども国分グループは1712年に創業し、日本全国で食品卸売の事業をしております。
国分東北は、そうした国分グループの東北エリアを担う会社として、東北6県で事業を展開しており、各県の卸売会社との連携も図りながら、地域の食の流通を支えています。
食品卸売業では、メーカーの商品を必要な場所へ効率よくお届けする仕事なのですが、メーカーごとに個別配送するより、私どものような卸売会社が間に入って物流を集約することで、配送工数の削減にもつながります。
流通を担う私どもの事業は、環境負荷低減にも寄与しているという思いが以前からありました。
こうした中、脱炭素経営を進めていたのですが、大きな課題がありました。
それが冷蔵・冷凍倉庫の省エネ化です。食品卸売業では、倉庫の冷蔵・冷凍設備の電力消費が大きな割合を占めます。脱炭素を考える上で、まずこの領域への対応が欠かせませんでした。
当初は、太陽光パネルの設置も検討していましたが、既存の倉庫では屋根荷重の問題があり、十分な発電量を確保できる設備導入は難しく、また自社倉庫だけでなく賃貸倉庫も多く使用しておりますので、私どもの一存では決められない状況でした。
そこで現実的かつ即効性の高い選択肢として浮上したのが、再エネ電力への切り替えです。
安定供給への安心感が、エネット採用の決め手に

(山辺)エネットさんは、NTTの小野寺さんからご紹介いただきました。
冷蔵・冷凍倉庫を運営する企業にとって、電力会社の見直しは簡単な判断ではありません。万が一にも電力供給が不安定になれば、食品管理ができなくなり事業の根幹を揺るがします。
ですから、絶対に譲れない条件として、私どもが重視したのが、安定供給に対する信頼感です。新電力の存在は以前から認識していたものの、過去の市場環境などもあり、「本当に安心して任せられるか」は経営判断の大きなポイントでした。
その点、エネットさんの長年培ってきた安定供給の実績や事業基盤への安心感を得られたことに加え、NTTグループ、東京ガス、大阪ガスというしっかりした資本背景を持つ企業であることは、社内での説明がしやすいポイントでした。
また、再エネ導入にはコスト増をある程度覚悟していたものの、ご提案内容を聞くなかで、その負担感を圧縮できる見通しが立ったことも後押しになり、結果として、社内調整は大きく難航することなく、スムーズに意思決定が進みました。
(小野寺) 最初は、「冷蔵倉庫にセンサーをつけて、どれくらい電気が使われているのか、どこでロスが起きているのか」を見える化する取組みからかかわらせていただきました。
たとえば、ドアの開閉など運用を少し変えるだけでも改善できる部分があります。
ただ、それだけでは本格的な対策としては難しい面もあり、電力会社の切り替え自体はすでに検討されていると伺っていましたので、エネットさんのサービスが国分東北さんの求めている条件に合っていると感じて、ご提案させていただきました。
エネットの田口さんといろいろなお話しをしてきた中で「安定供給の面でも大丈夫」という話も確認でき、そこから一気に進みました。
切り替え後に生まれたのは、社内の意識変化と「見える化」への手応え

(山辺)エネットの電気への切り替え後、まず感じた変化は、社内の意識向上でした。
自社が再エネにしっかり取組んでいるということは、社員だけでなく、センターで働く物流関係者にも伝わりやすく、会社としての姿勢を可視化する効果がありました。
証書や取組み内容が“見える形”になることで、「会社が本気で脱炭素に取組んでいる」というメッセージがより伝わりやすくなったと思います。
(山辺)さらに大きかったのが、電力使用状況の見える化です。
これまで電気代は、請求書が届いて支払う「固定費」に近い存在として捉えられていました。
しかしデータを見られるようになったことで、実は電気の使い方も改善余地があるという意識が強くなりました。
たとえば、倉庫では特定の曜日に電力消費が高まる傾向がデータから見え始めました。
火曜日と木曜日に消費量が多いという傾向から、出荷量だけでなく、入荷、庫内オペレーション、ドアの開閉頻度、在庫量、外気温など、さまざまな要因との関係を分析できる可能性が見えてきたと思います。
(山辺)現時点では、まだEnneteye®の導入から日が浅いため、比較するデータが揃っていませんが、節電効果を定量的に測れる手応えを感じています。
何も見えなかった状態から「なぜこの日に増えるのか」「どこを変えれば改善できるのか」を考えられるようになったこと自体が、大きな前進でした。
今後、年単位でデータが蓄積されれば、前年との比較を通じて、倉庫の使い方や入出荷による変動、気温変化との関係などをより精緻に分析できるようになり、物流オペレーション全体の改善や、デジタル活用の基礎データとしても活用範囲が広がっていく可能性があります。
(山辺)将来的には、冷蔵・冷凍の区画別、部屋別といった、より細かな単位での把握ができれば理想的です。
ぜひそうしたニーズにもエネットさんNTTさんと一緒に、物流業界全体の試みとしてチャレンジできると面白いですよね。
地域や同業者をサプライチェーンでつなぐSDGsな未来へ

(山辺)国分グループでは、サステナビリティ経営や社会貢献活動を明確に打ち出しています。
SDGsという言葉が一般化する以前から、環境活動や社会価値を意識した考え方が社内にありました。
目先の利益だけでなく、お客さまの期待に応えること、従業員の幸福度を高めること、社会的価値を高めることが、最終的に企業価値や経済価値につながるという発想が根底にあります。
また、東北地域との共創やフードロス削減にも積極的に取組んできました。
地域の高校生と連携した未利用食材の活用や地元食材をつかった商品開発や、森林再生に関する研修参加など、地域に根ざした活動をしております。
また、フードロス削減の取組みとして、メーカーで行き先を失った商品を引き受け、子ども食堂支援団体へ届ける活動も始めました。
メーカーと支援先の間に立つ卸売業だからこそできる物資を必要とする現場へつなぐ役割を果たしていきたいと考えております。
(山辺)さらに、業界全体で物流配送の脱炭素化をめざしています。
国分グループとしては、太陽光パネルを搭載した車両による配送などの取組みを実験的に始めています。
東北エリアでは、卸同士の共同配送など、これまで競合関係にあった企業同士でも連携しながら協調し、積載効率を高める取組みが始まっており、距離が長く、物流効率が重要な東北だからこそ、こうした工夫の意義は大きいといえます。
食品卸売業にとって、冷蔵・冷凍倉庫の安定稼働は絶対条件です。
その前提を崩さずに脱炭素へ踏み出すには、エネットさんのようなインフラを提供する企業の皆さんの協力が不可欠です。
電力の見える化を通じたオペレーション改善、サプライチェーン全体での環境対応、地域との共創など、さまざまな可能性が広がっています。
エネットさんとの取組みは、そうした次の一手を考えるための、確かな土台になると思っています。
事例インタビュー企業紹介
国分東北株式会社
食を通じて地域の人々の幸せと笑顔を創造することをめざしています。 また次世代に豊かな環境を繋ぐ「SDGs」への取組みを通じ、地域に深く根ざし、課題を共に解決することで、持続可能なまちづくりと、生活者の皆様への新たな価値づくりに取組み続けます。国分東北株式会社 経営統括部長 兼人事総務部長 山辺 圭右さま(部署や本文中の役職は2026年2月現在のものです)

国分東北株式会社 経営統括部長 兼人事総務部長 山辺 圭右さま

