電気料金のしくみ

電力自由化を機に、電力会社切り替えによる電気料金削減のニーズが高まっていますが、そもそも電気料金がどのように構成されているか認識されていない方も多いと思います。
本コラムでは電気料金の計算方法から細かい料金の確認方法までご説明いたします。

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燃料費調整単価
電気料金のしくみ
目次
  1. 電気料金のしくみ
  2. 電気料金メニュー
  3. 電気料金の確認方法
  4. 電気料金のお支払

1.電気料金のしくみ

電気料金の計算方法

電気料金は“基本料金”、“電力量料金”、“再生可能エネルギー賦課金”の大きく3つで構成されています。“基本料金”は契約上使用できる最大の電力量に応じて算定されます。一方、“電力量料金”は実際に使用した電力量に応じて算定され、これらは水道の蛇口の大きさと流した水の量に例えて説明することができます。また、“再生可能エネルギー発電促進賦課金”は国が年度毎に定めた単価に、使用電力量を応じて算定されます。
基本料金は、例えば関西電力の従量電灯A等のように、電気料金メニューによっては存在せず、“最低料金”を設けている場合がありますが、新電力含め、ほとんどの電気料金がこちらの構成項目となっています。

図1 電気料金の構成項目

図1 電気料金の構成項目

燃料費調整単価

燃料費調整単価とは、火力発電に使う燃料(原油・LNG〔液化天然ガス〕・石炭)の輸入価格に応じて電気料金を調整する金額のことです。火力発電は従来から日本の電力の半分以上を占めており、産油国の情勢や為替レート等で変動する輸入価格の影響を抑えて安定的に電力を供給する目的で、1996年1月から燃料費調整制度が導入されました。当初は年4回の頻度で料金改定が行われていましたが、燃料価格の変動をより細かく反映させる目的で2009年に制度見直しがなされ、現在の毎月料金改定する方法へ変更されました。
毎月の燃料費調整単価は地域の電力会社毎に財務省の貿易統計価格(実績)から自動的に計算され、毎月の電気料金に加算もしくは差引されます。新電力も該当地域の電力会社と同じ単価にすることが一般的です。

再生可能エネルギー発電促進賦課金

再生可能エネルギー発電促進賦課金とは、太陽光・風力・水力・地熱・バイオマスなどの再生可能エネルギーを普及させるために、発電された電気を地域電力会社が固定価格で買取る制度があり、その分の拠出金を全国の消費者で負担するための賦課金のことです。
先ほど日本の電力の半分以上が海外から仕入れる燃料から発電する火力発電によるものと述べましたが、エネルギー全体でみると日本の自給率は6%(※経済産業省・資源エネルギー庁 エネルギー白書より)と非常に低く、このエネルギー自給率を向上させることを目的に再生可能エネルギーの普及・拡大に取り組んでいます。消費者の皆さまから集められた賦課金は、再生可能エネルギーを買取る地域電力会社を経由して、最終的には再生可能エネルギーで電気をつくっている発電事業者の方々へ届けられるのです。
再生可能エネルギー発電促進賦課金は、年度毎に全国一律の単価として国が定めています。

2.電気料金メニュー

特別高圧・高圧・低圧の違い

電気の契約は、供給電圧によって大きく3つに区分されています。
特別高圧は供給電圧が20,000ボルト以上で、全国の供給電力量(※電力使用量ベース)の26%を占めています。大規模工場や大規模ビルなどがこちらの契約に該当します。
高圧は供給電圧が6,000ボルトで、全国の供給電力量の36%を占めます。中規模工場や中規模ビル、商業施設などがこちらに該当します。
最後に2016年4月に自由化された低圧ですが、供給電圧が100もしくは200ボルトで、全国の供給電力量の38%を占めています。家庭、小規模店舗、町工場などがこちらに該当します。なお小規模店舗、町工場では、1つの施設で2つの契約を結んでいる場合があります。一つは照明や一般の電化製品を動かすために必要な“電灯契約”で、もう一つは業務用空調や業務用冷蔵庫などに必要な“動力契約”になります。小規模店舗、町工場での電気料金見直しの際は、この“電灯契約”と“動力契約”の両方を確認することをお勧めします。

図2 特別高圧・高圧・低圧の違い

図2 特別高圧・高圧・低圧の違い

出所: 資源エネルギー庁『電気料金制度の経緯と現状について』(H23.11)を元に作成

特別高圧・高圧・低圧の代表的な電気料金メニュー

次に特別高圧・高圧・低圧には具体的に、地域電力会社毎にどういったメニューがあるのか紹介します。
特別高圧・高圧ではビル・スーパー・病院等が該当する“業務用”と主に工場が該当する“産業用”で料金メニューが分かれます。例えば、東京電力の場合、“特別高圧電力A”や“業務用電力”が業務用、“特別高圧電力B”や“高圧電力”が産業用に該当します。
低圧では代表的なメニューは“従量電灯”と“低圧電力”の2通りです。従量電灯は先述した“電灯契約“に該当するメニューで、使用電力量が増えるほど電力量単価が上がるので、電気の使用量が多い施設ほど割高な契約です。一方、低圧電力は先述の”動力契約“に該当し、こちらの電力量単価は季節に応じて設定され、夏季の単価が高くなっています。

図3 特別高圧・高圧・低圧の代表的な電気料金メニュー(東京電力の場合)

図3 特別高圧・高圧・低圧の代表的な電気料金メニュー(東京電力の場合)

3.電気料金の確認方法

電気料金請求書及び電気ご使用量のお知らせの見方

電気料金の請求書や電気ご使用量のお知らせ(検針票)のフォーマットは各地域電力会社によって様々です。一般的に特別高圧・高圧が請求書、低圧が電気ご使用量のお知らせのフォーマットであることが多いです。ここでは、ある地域電力会社の請求書及び電気ご使用量のお知らせの見方のイメージを用いて紹介します。電力会社切り替えの際に必ず必要な情報になりますので、参考にしてください。

図4 地域電力会社の請求書イメージ

図4 地域電力会社の請求書イメージ
お客さま名義:
電気のご契約者名義が入ります。
ご使用場所:
電気のご使用場所の住所が入ります。
地区番号:
検針日の設定地区毎に割り振られています。
お客さま番号:
地域電力会社へお問い合わせする際に必要になります。
ご契約内容:
ご契約種別・契約電力などが入ります。
ご使用実績:
検針期間での使用電力量及び最大需要電力量が入ります。
ご請求金額内訳:
基本料金、電力量料金、再エネ発電賦課金に分けて記載されています。
力率は85%を基準としてそれより力率の良いものは90%、悪いものは80%に設定し、それぞれ基本料金を5%割引、割増します。
付帯契約や自家発補給契約の内容が記載されている場合があります。

図5 電気ご使用量のお知らせイメージ

図5 電気ご使用量のお知らせイメージ
お客さま名義:
電気のご契約者名義が入ります。
ご使用場所:
電気のご使用場所の住所が入ります。
地区番号:
検針日の設定地区毎に割り振られています。
お客さま番号:
地域電力会社へお問い合わせする際に必要になります。
ご契約内容:
ご契約種別・契約電力などが入ります。
ご使用実績:
検針期間での使用電力量及び最大需要電力量が入ります。
ご請求金額内訳:
基本料金、電力量料金、再エネ発電賦課金に分けて記載されています。
地点番号:
電気のご使用場所を特定するための番号です。
電力会社切り替えの際に必要になります。

4.電気料金のお支払

電気料金の検針日

電気料金の算出期間を決める検針日ですが、検針日はエリアによって違います。例えば、東京電力エリアで地区番号が18の場合、検針日が18日頃になるイメージです。
また、エネットでは低圧は各地域電力会社と同じ検針日になり、特別高圧・高圧は東京電力エリア以外は毎月1日が検針日となります。東京電力エリアでは、協議制(500kW以上)の契約の場合、毎月1日が検針日となり、実量制(500kW未満)の契約の場合、低圧同様に地区毎に検針日が変わる仕組みとなります。

電気料金の支払い方法

電気料金の支払い方法は、“請求書払い“、”口座振替“、”クレジットカード払い“の3パターンあります。お客さまの管理の手間やクレジットカードのポイントなど加味して選択するのをお勧めします。