導⼊事例・コラム

コラム:教えて!EVあれこれ講座

第1回 「充電」の基礎知識

ガソリン車のエネルギー補給は「給油」ですが、EV(電気自動車)の場合はそれが「充電」になります。一口に「充電」といっても、実は種類があったり、充電場所や料金などもさまざまです。
今回は、そんなEVに欠かせない充電について、基礎知識的なことをご紹介していきます。

第1回 「充電」の基礎知識

1.「充電」の種類

普通充電と急速充電がある

一口に「充電」といっても、EVの充電は、大きくは普通充電器によるものと急速充電器によるものに分かれます。両者の違いは充電出力の大きさです。出力はkWで示され、たとえば出力6kWという場合は理論上、1時間に6kWh充電できる充電器だということになります。

・普通充電器 出力:~6kW/一般的な普通充電器3.2kW、高出力普通充電器6kW
・急速充電器 出力:おおむね10kW以上/高速道路などでは50kWタイプが多い。世界的には80~100kWのものも
  • ● 普通充電器
    ほかに、EVの電気を家庭等で使える
    充放電器があります。
  • ● 急速充電器
  • ● ケーブル差込口

2.「充電」場所による分類

プライベート充電とパブリック充電に分かれる

EV充電における、想定される充電場所としての分類では「プライベート充電」と「パブリック充電」に分かれます。

 

●プライベート充電
所有者や契約者が専有して使う充電スペースで、基本的に普通充電器です。自分あるいは契約者専用の充電器なので、クルマを使わない時間帯に時間をかけてゆっくり充電できます。
主な設置場所:戸建てのガレージ、マンションやビルなどの月極駐車場、自社所有の駐車場。

●パブリック充電
公共の場に設置された、利用料を支払えばだれでも使える充電スペースです。多くは急速充電器ですが普通充電器のところもあります。充電に際しては時間制限があり最長30分が基本です。30分以下の利用も可能です。
主な設置場所:道の駅、高速道路のサービスエリア、カーディーラー、商業施設。2021年6月には全国で初めて横浜市青葉区の「路上」に も充電スポットが誕生しています。

パブリック充電の急速充電器の場合、充電器自体は50kWや80kWなどの出力を備えていても、実際には20kW程度に出力を調整しているのが現状です。パブリック充電は電気使用量ではなく時間単位での料金体系のため、それぞれの充電スポットによる充電量のバラつきをなくすためです。

充電量=充電器の出力×時間

実際にEVを充電する場合を考えてみましょう。充電量は、それぞれの充電器の出力によって、かかる時間が変わってきます。

●普通充電器でプライベート充電する場合
40kWhバッテリーを搭載したクルマを例にします。バッテリー残量10%(4kWh)のクルマに6kWタイプの普通充電器でフル充電しようとする場合の所要時間は…
⇒ (40-4)÷6=6 で、6時間でフル充電できる計算です。

●急速充電器でパブリック充電する場合
同じく40kWhバッテリーを搭載したクルマを例にします。充電器の出力が20kWとすると1回30分の充電で10kW充電できます。バッテリー残量10%(4kW)となっていたクルマを充電した場合…
⇒20kWhを30分=10kW。4kW(10%)+10kW(25%)=14kW(35%)まで残量が回復します。

日産リーフの場合、スピードメーター以外に、加速と電力の回収を示すパワーメーターが付いています。また、充電量や走行可能距離が表示されます(例は充電量100%で286km走行可能。※走行可能距離数は走行状況によって変動します)。

3. 充電にかかる電気料金

プライベート充電は「使った電力」、
パブリック充電は「時間」で決まる

ガソリン車からEVへの切り替えを考えるときに気になるのが、ランニングコストとなる電気代です。プライベート充電とパブリック充電では、料金体系が異なります。

プライベート充電の場合は、使った電力の分だけ
パブリック充電の場合は、1回30分(あるいはそれ以下の分数)の時間単位

●プライベート充電の場合
電気料金の単価は、「kWh(キロワットアワー)」です。1kWhとは、1kW(1,000W)の電力を1時間使用した場合の電気使用量をいいます。この1kWhがいくらかは、エリアや時期によって異なりますが、仮に次のような料金設定として考えます。
低圧(法人向け):昼間23円、夜間20円
高圧(法人向け):昼間16円、夜間13円
※実際の電気料金単価は、エリア、時期、お客様の使用量、その他諸条件によって異なります。

たとえば、クルマを使わない夜間に6kWの普通充電器で充電したとすると、1kWh低圧(法人向け)夜間20円の場合、1時間あたりの電気代は、20×6kWh=120円となります。

急速充電は時間あたりの料金になり、その料金は充電サービスの運営会社によって決められています。
e -Mobility Powerの場合、会員価格で急速充電16.50円/分。つまり30分で495円の計算です。※実際にはほかに月会費や手数料等がかかります。

電気代の安い夜間に
効率よく充電できる
EV導入・運用サポート
EnneEV(エネーブ)を使用した例

  • オフィスの使用電力
  • EV充電での使用電力
9:00~17:00営業の事務所が、なんのコントロールもなしにEV充電をはじめた場合の想定。午後から徐々に充電の必要が出てきて110kW以上の契約でないと足りない計算に…。
EnneEVによってEV充電の時間帯と、出力をコントロールした場合の電力使用量。50kWの契約で済むように抑えられています。

上の図は、6kWの普通充電器を10台設置した場合のシミュレーションです。左の図は制御なしの場合、右の図はEnneEVを活用し時間と出力の両方を制御した場合を表しています。
まず、オフィスが電気を使用しない時間帯を充電にあてることで契約電力(基本料金)の上昇を招くことなく、かつ安い料金設定の夜間電力を有効活用できます(お客様によっては夜間料金設定がない場合もあります)。ただし、例のように6kW×10台では合計60kWとなり、単純計算ですでに50kWの契約電力をオーバーしてしまいます。ですが、EnneEVを活用すれば右の図が示すように出力70%(4.2kW)に制御して50kWの契約電力でまかなえるよう設定できるのです。時間をずらすだけなら車両側のタイマー充電でも可能ですが、充電器の出力制御も可能なのがEnneEVの強みです。

4.ガソリンより
お得な「電費」

ガソリン代 vs 電気代、走行コスト比較

走行コストを表すガソリン車の「燃費」は、EVでは「電費」といいます。1kWhあたり何kmクルマが走るかを表す数字です。それをもとにガソリン車とコストを比較してみましょう。

●ガソリン車
ガソリン代155円/ℓのとき、燃費20km/ℓのクルマだと……1km走るのに7.75円かかる計算です。

●EV
1kWh20円の電気料金のとき、電費6km/kWhのクルマだと……1km走るのに3.33333…円かかる計算です。
※電費6km/kWhは当社調べに基づく概算。試算しやすいようキリのよい整数にしています。

同じ費用ならEVはガソリン車の2倍ぐらい走れることがわかりますね。

ガソリン車(燃費20km/ℓの場合) ガソリン代(155円/ℓの場合) ¥7.75/km
EV(電費6km/kWhの場合) 電気代(20円/1kWhの場合) ¥3.3333..../km

5.まとめ

  • EVの充電器には普通充電器と急速充電器がある
  • 充電場所ではプライベート充電とパブリック充電がある
  • 充電にかかる電気代は、プライベート充電のほうが安く、電力料金が安い夜間電力などをうまく使えばさらなるコスト削減が図れる
  • ガソリン車よりもEVのほうが走行コストは経済的

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